ドナルド・マクドナルド・ハウス おおさか・すいた 取材レポート

 

『家族と子どもたちの笑顔を守りたい』

 

 ドナルド・マクドナルド・ハウス おおさか・すいた(以下、すいたハウス)へ行ってきました。

皆さんは「ドナルド・マクドナルド・ハウス(以下、マクドナルドハウス)」と聞いてどんな想像をしますか?

 

 マクドナルドといえば、ハンバーガー、黄色いMのロゴで有名な飲食店ですが、マクドナルドハウスはお店ではありませんし、もちろんハンバーガーも売っていません。しかし、飲食店マクドナルドの店頭においてある募金箱で、マクドナルドハウスをご存知の方もいるかもしれません。

 

 マクドナルドハウスは、難病の子どもとそのご家族が利用できる滞在施設で、入院している子どもとその家族がよりよい生活をおくれるように支援しています。病気を抱えた子どもと、治療に付き添う家族のために病院に近い場所に設けられています。すいたハウスは、国立循環器病研究センターのすぐ近くにあるため、全国から多くの心臓病の治療を受ける子どもとそのご家族が来られ利用されています。

 

 現在、マクドナルドハウスは世界42 ヶ国に約360 ハウスあり、日本は世界で7 番目に多く12 ハウス設けられています。日本のマクドナルドハウスの設置・運営の母体は、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンで、マクドナルドの名前がつけられた由来は、発端となったアメリカの第1 号ハウスを、ファーストフードチェーン店のマクドナルドが主体的に支援したことからだそうです。

 

 マクドナルドハウスには患者とそのご家族に寄り添うために多くのこだわりとシステムがあります。

まず、びっくりするのは利用料です。大阪の宿泊代といえば、皆さん、いくらぐらいを想像しますか?ここの宿泊代はなんと、1 泊1000 円です。「え!?それちょっと大丈夫?設備は?環境は?」 そう思われる方もいるかもしれませんが、そんな心配はいりません。マクドナルドハウスは外も中もとてもきれいで、宿泊部屋以外にも、図書室、キッチン、食堂、インターネット設備、キッズスペースなどが備わっています。

 

 マクドナルドハウスは、利用者が家庭から離れていても、家庭的な雰囲気でくつろいで過ごせるようにとこだわっていて、食事はキッチンで自炊可能、冷蔵庫と食品などを保管する各自のロッカーもあります。お風呂は各部屋にユニットバスがあり、洗濯もランドリーコーナーがあるので自分でできます。人と一緒に居たい時には食堂や共有スペースに、一人や家族だけで居たい時には部屋にと、その時の気分にあわせて過ごす場所を選べるのも、利用者がくつろげるようにという配慮を感じます。

 

 宿泊代が安いのは、長期入院が必要な病児の家族を経済的な面からもサポートしているためで、それをまかなうのが、ボランティアが支援するという運営方法です。これにより人件費が圧縮されますが、これだけではなく、一般の人や企業などからの寄付、イベントやバザー収益をハウスの運営費にあてています。なお、ボランティアさんたちは、利用者の滞在中の生活面以外にも、心の向き合い方に気を配り、精神的面でも支援されています。

 

 すいたハウスには10 代から80 代までと幅広い世代の方たちがボランティア登録されていて、その数なんと約140 人もいらっしゃるそうです。ボランティアが担う役割も様々で、事務、受付、案内、おそうじ、お食事、木工、園芸、裁縫、イベントなど他にも幾つもの仕事があります。

 

 取材では、ここで長くボランティアをされているという3 人の方にもお話を伺いました。

彼女たちのボランティア歴はとても長く、一番長い方は、すいたハウスができた当初からだそうです。

皆さんはとても仲が良く、やさしい笑顔が印象的でした。

 ここで働く楽しさと意義を尋ねると、「元気をもらえる」「新しい出会いと仲間ができる喜び」「わが子や孫、家族のことを見つめなおす機会になっている」「いろいろな学びがある」「お役にたてることが逆に感謝」と次々に答えられました。当事者(利用者)との関わりかたには、ボランティアは一線を保ち、プライバシーに立ち入らない。「おかえりなさい」「いってらっしゃい」と明るく元気にふれあう、見守るというスタンスです。きっと、病気の子どもたちとその家族たちを陰ながら支える第二の家族のような存在なのだろうなと、彼女たちの心のあたたかさと姿勢に、とても好感を抱きました。

 

 今回の取材から私は、「援助」の大切さを改めて感じることが出来ました。私自身も持病をもっており、毎年定期的に病院に通っています。その際に私の身内はもちろん助けてくれますが、直接的には関わることのない人も、私が快適に過ごせるように、援助してくれています。その人たちに毎度お礼をいうことはできていませんが、その人たちの援助が私を支えてくれています。私も、今回の取材を通して、陰で支えられる存在になりたいと思い、ここでのボランティアを始めたいと思います。

 

■マクドナルドハウスのことをもっと知りたいという方は、下記のホームページをご覧ください。

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ドナルド・マクドナルド・ハウス(公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン)

 

 

(レポート:大坂明未)