箕面市文化財愛好会 取材レポート

 

 2月22日(木)、箕面サンプラザで開催された歴史講演会に行ってきました。この講演会は箕面市文化財愛好会が年3回開催しているもので、今回のテーマは『暦と方位の歴史学:陰陽道と日本文化 ~陰陽師 安倍清明』でした。講師は上方文化評論家の福井栄一さん。平日にもかかわらず参加者81名と大盛況でした。

 

 内容を簡単にまとめると、万物は全て陰と陽に区分されるという陰陽説と、万物は木・火・土・金・水からできているという五行説から十干という考え方が生まれ、それに十二支を掛け合わせた暦の成り立ちを説明するものでした。一見難しい内容に思えますが、面白いエピソードも交え、わかりやすく講義していただけるので、暦の話は良く理解できましたし、あっという間の2時間でした。ただ時間の関係か、タイトルにある方位の説明が省略され、安倍清明の話も母親が白狐だったという伝承のみでしたので、そのあたりももっといろいろと聞きたかったとやや残念感が残りました。

 

 主催の箕面市文化財愛好会は、昭和44年(1969年)に、郷土文化財の研究と啓蒙を目的に設立し、すでに50年近く活動されています。会員はシニア世代を中心に70~80名ほどで、年3回の歴史講演会と、年2~3回の文化財見学研修会、年2回の会員誌の発行が主な活動内容です。一見すると歴史マニア向けの活動のようにも見えますが、箕面の文化財を後世まで継承していくためには非常に大事な活動だと思います。

 

 私も歴史好きですし、箕面の歴史についてももっと知りたいと思いますが、今回講演会に参加し、また箕面市文化財愛好会の方に活動内容を詳しく聞かせていただいた中で感じたことを率直に述べるなら、内容が結構マニアックなため、一般の人にはちょっと取っつきにくい感じがします。おそらく50年近い活動のなかで、いろいろな工夫や試みがあったと思われますが、もっとビギナー向けや、社会人・学生が参加しやすい土日に講演会などもあれば、シニア世代以外にも広がる機会が増えるのではないかと思いました。そうして世代を引き継ぎながら、この文化財啓蒙活動・保護活動をさらに80年・100年と続けていただきたいと願ってやみません。

 

 箕面市文化財愛好会の活動に興味をもたれた方は、一度気軽に講演会に参加などされてみてはいかがでしょうか。

 

【歴史講演会・開催予定】

 

◆「木炭の歴史と窯 ー北摂は木炭の銘産地ー」 

 日時:4月23日(月) 14:30~16:00 

 場所:箕面サンプラザ 

 予約不要 

 

◆「維新150年と”せごどん”(西郷隆盛)」

 日時:10月4日(木) 13:30~15:30 

 場所:箕面サンプラザ

 予約不要(但し先着100名まで)

 

 詳細は次へお問い合わせ下さい。 

 箕面市文化財愛好会 尾立(080-6119-2371)

 

 箕面市文化財愛好会のホームページはありませんが、今回この記事をご覧いただいた方へ特別に会員誌を紹介します。 

■愛好会通信・第145号(平成29年3月23日発行)→PDF

■愛好会通信・第146号(平成29年9月28日発行)→PDF

 

★箕面市文化財愛好会の団体情報はこちら

⇒団体情報

 

 

(取材レポート:ZH)